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『スラムドッグ ミリオネア』 [芸術]

映画館へ『スラムドッグ ミリオネア』の試写会に行ってきました。
(リンク先  ↑ 英語版   ↑ 日本版)

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この映画、アカデミー賞ノミネート作品の中でも全く食指の動かなかった作品でした。
なぜなら、私のトラウマ映画『トレインスポッティング』の監督の作品だったからです。
(脚本は『フル・モンティ』の方のようでした。こちらは好きな映画です)

というのも、私は映画であまり暴力や汚い物のを見るのが苦手で、
『トレインスポッティング』の便器の中を泳ぐところが、大嫌いだったんです。
映画館を出てからは、トイレに行くたびに思い出す始末。

それなのに、アカデミー賞のプレゼンテーションでヒュー・ジャックマンが
「汚物の海を泳ぐのだって平気さー♪」と歌ってこの映画を紹介していたので、
即、脳内変換→うううう…気持ち悪い…
「いくら8冠とはいえ、あれは観ない!」と思ってました。


だがしかし。
結論から言いますと、私は最後に拍手したくなったほど気に入りました。

あらすじ-----
インドのムンバイの青年・ジャマールが、クイズ・ミリオネアに出場し、
順調に正解を重ね、
遂に2千万ルピーの問題に挑戦するところまでたどり着いたのですが、
スラム出身なのに答えられるはずはない!というインチキ疑惑をうけ、
最後の問題を残したところで逮捕されてしまいます。

ミリオネアに出場し、クイズを解いている昨日のビデオを見つつ、
警察での取調べを受けるジャマール。
彼の少年時代からクイズに出るまでのいきさつの回想とともに、
クイズに正解した理由が明かされていきます。

クイズの答えは、彼が生きながら学んだことそのものだったのです。
ジャマールは経験から正解を重ねていけたのです。
だから最後に、学校で学んだ(実際には学んでないですけど)問題が出題された時、
ジャマールには答えがわかりません。

インド全国が見守る中、ジャマールは最後の問題を正解できるのか?
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物語を語る上での、現在・昨日・少年時代の三つの時間の行き来に破綻が感じられず、
こういう映画にありがちなもったりとした感じもなく、テンポの良さがありました。
主人公達が走る場面から物語にぐっと引き込まれ、そのまま連れて行かれる感じです。

全てに過不足なく、よく練られた作品だなと思いましたし、
観終わった後は、清々しくハッピーな気持ちになりました。
人の絆のすばらしさや、普遍的なよさを感じる作品でした。

内容もよく考えると重たいし、残酷な描写もありましたが、
主人公ジャマールの純真さや「三銃士」たちの一途さに共感できるし、
スピード感のある映像や、音楽もよかったし
(ぜひステレオ?音のいいの映画館で観てください)、
人も街も映像も、生命感にあふれる映画でした。


最後は、インド映画っぽい締めです。


私、犬が好きでして、『マーリー』の試写会のついでに応募したのですが、
こちらが当選!といういきさつだったので、オスカーは取っていたけど
そんなに期待せずに(どちらかといえば汚物の山に戦々恐々としながら)
観にいったのですが、内容には大満足で、
レトリーバーは見られなかったものの、いい映画に出会えて嬉しかったです。

ちなみにボンベイの町にも、眠そうなかわいらしい犬は登場します。
主人公はスラムドッグだし、犬つながり?で、いいもの観させてもらえました。

ところで…
この映画の邦題は『スラムドッグ$ミリオネア』ですよね。
この「$」マークっているのかな?
○○テレビが登録してる商標とかそういうのでしょうか?

画面に出てくる題名は『Slumdog Millionaire』なので、
今日の日記ではマークはつけてません。あしからず。
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